LightWave で線画出力:基礎編3:LightWave の輪郭線設定について

LightWave 輪郭線設定項目メモ

LightWave の Layout では、[アイテムプロパティ]>[オブジェクトのアイテムプロパティ]ウィンドウ(オブジェクトを選択してショートカット【p】)の[輪郭]タブ各項目に入力することで、出力する輪郭線の設定をする。これにより、外側の線を太くして内側の線を細くしたり、手前の線を太くして奥の線を細くすることが可能。ただし輪郭線に強弱がつけられないため入り抜きのある線は出せず、さらにオブジェクトが重なった境界には線が出ないので注意(コミスタとクリスタはどうなのか未検証)。また、線の太さについてはあらかじめセットされているものだけでなく、任意の値を入力できる。

主要な各項目の概要を以下に記す。

  • 点/線の太さ
    • 点ポリゴン(1つのポイントだけからなるポリゴン)と線ポリゴン(2つのポイント間を線で結んだだけのポリゴン)をどの程度の太さで描くかを決める。基本的にいじらなくてよい。
  • シルエットエッジ
    • オブジェクトの外周に線が出る。オブジェクトが重なっている場合は、重なった部分を除いた外周に線が出る。球体の輪郭に線を描画できる。
  • 共有しないエッジ
    • 頂点は重なっているが結合していない箇所の線が出る。例えば、ある部分のポリゴンを切り取ってそのまま貼り付けて重ねると、そのポリゴン外周の線が出る。
  • 鋭角の折り目
    • サーフェイスに[スムージング]([Surface Editor]>[基本]タブ)が設定されていないポリゴンに輪郭線が出て、設定されているものには輪郭線が出ない。たとえば球のサーフェイスのスムースを切ると、表面ポリゴンすべての外周線(=表面だけのポリゴン線)が出せるので、SF作品の宇宙船モニター内に出てくる惑星データの画などに使えるかもしれない。そのエッジが鋭角の折り目にあたるかどうかは[スムースしきい値]の設定によって変わり、そもそも[スムージング]が設定されていないサーフェイスは、すべてのエッジが鋭角の折り目とされる。
  • サーフェイス境界
    • 同じオブジェクトでも、サーフェイス名が異なる境界に線が出る。ただし他のオブジェクトと重なった部分については、サーフェイス名が異なっていても線は出ない。
  • その他エッジ
    • 上4つ以外に属するすべてのエッジの線が出る。ワイヤフレーム表示のような線画になるので、基本的には設定不要。
  • 距離でエッジを縮小
    • カメラから離れるに従って線を細くできる。ただし、カメラとオブジェクトとの距離が短くないとあまり効果がない?(未検証)
  • 目標距離
    • オブジェクトが遠くなるに従って線も細くなるが、カメラからどれくらい離れた地点で、線が上で入力された幅になるかを指定する。「輪郭線の太さを50%に縮小したい距離」の半分の値を設定するとちょうどいいらしい。例えばカメラから10m離れたところで輪郭線の太さを50%にしたいのならば、[目標距離]に5mと入れる。

なお、プラグイン unReal Xtreme2 を使う場合は、これら[輪郭]タブの設定をしなくてもよい。

線画出力におけるサーフェイス分けの活用

すべてのポリゴンを1つのサーフェイスに統一すると、隣り合う2つのポリゴンが、例えば平面のように続いていてエッジを共有している場合、LightWave のセルシェーダー(少なくとも Super Cel Shader)はそのエッジ線を省略してしまう。LightWave では隣接するサーフェイスの境界に線を出すことができるので、オブジェクトの線を出したいポリゴン境界で、あらかじめサーフェイスを分けておくとよい。別パーツや質感の違う箇所だけでなく、同じ質感でも境界線を出したい箇所は違うサーフェイス名にして分けておく。この手法は unReal Xtreme2 を使う場合でも有効。

また、テクスチャ設定したサーフェイスと未設定のサーフェイスをひとつのオブジェクトが持つ場合、輪郭線設定で[サーフェイス境界]をONにすると、テクスチャ設定・未設定の境界が色の境界と判断され、境界線や鋭角の折り目などがない箇所に意図しない線が出力されてしまうので注意。

モノクロ画への応用として、あらかじめベタ塗り箇所のサーフェイス色を黒に設定しておけば、ベタの入った状態で出力することもできる。

LightWave 2015 以降

バージョン12にあたる LightWave 2015 では、交差エッジ (Intersection Edges) 機能によってオブジェクト同士の交差線も描画できるようになった。

以下は交差エッジ (Intersection Edges) 機能の面白い使い方。あえて別オブジェクトを埋め込んで交差部分の線を利用している。また、前半を見るに、宇宙船のパネルラインなども輪郭線機能で問題なさそう。

Composite Buffer Export による輪郭線抽出

イメージフィルタ「Composite Buffer Export」を使った輪郭線抽出手法を知った。これならばいちいちサーフェイス設定を変えずに済む。以下参考。

魚眼レンズ

輪郭線は魚眼レンズでも出力できる。魚眼の設定はアドバンストカメラで可能。