『天空の城ラピュタ』に出てきたモールスを着メロにする

天空の城ラピュタ』冒頭でムスカが打っているモールスを携帯電話のメール着信音にしようと思った。さすがにもう誰かが作っているのではと思い、検索してみたものの引っかからず、仕方がないので自作した。ついでにドーラがパズーの家で傍受した信号についても自作。音源は以下で配布している。

電信の内容について

まずはモールスの内容だが、ムスカが打っていた内容は以下に解説があり、「VVV VVV VVV」だとのこと。実際にDVDを再生して数えてみると「VVV」の連続が7回続き、8回目の途中でシータに瓶で殴られている。ちなみに「VVV」は無線電信(CW;Continuous Wave)で試験電波に使う符号。

ちなみに第一級アマチュア無線技士の資格保持者の方がこうツイートしていた*1

ムスカの打電は「..._ ..._ ..._」つまりVVVと打電していて、意味は試験電波発射中。劇中の意味を鑑みると「... _ _ _ ...(SOS)」遭難信号か「_ _ _ ... _ _ _(OSO)」非常通信を打つべき所ですが放送で流す事が禁じられているので。 #無線家

https://twitter.com/ironuzak_/status/363282511721283584

こちらは別の方だが。

そしてドーラが傍受した内容については、以下を参考にした。

あれは暗号化されているという設定の文字の羅列なので、確認しようとしたが台詞と被っていて一部が聞き取り辛かったのもあり、意味を成していて最も聞き取りやすい「MANUFACTURER」の部分だけを抜粋することにした。「飛行戦艦を呼び寄せたな?」と言うドーラのカットの次、飛行するゴリアテのカットで流れる内容である。

モールス符号サウンドデータを作る

さて、この内容をモールスの音に変換して携帯電話に入れるのだが、それについては以下を参考にした。

まず以下のサイトに行き、SMAF対応携帯電話端末に自分の携帯電話機種があるかを確認し、音源LSIの種類も確認。自分はauW42CA(G'zOne)なのだが、音源LSIはMA-7だった。

次にモールスの内容をテキストにし、それを音データ(WAVファイル)にする。これには以下の「トンツーサウンドメーカー」を使用した。使用するに当たってVB6 SP6ランタイムが必要なので注意。

PARIS100字/分だと劇中の速さより遅い気がしたので120字/分にして、トーン周波数は900Hz、音質はスライダーを最も「硬い」に設定。これでだいぶ「それっぽく」なった。

携帯電話用の形式へ変換する

そして作成したWAV形式を携帯電話用にSMAF形式へと変換する。これには以下の「えせ着うたフロントエンドSMAF版」を使用。こちらも使用するに当たってSSC-MA3-SMAFというソフトが必要なので注意。

これで拡張子が「mmf」のSMAFファイルが完成。これをメールなりで携帯電話へ送ればよい。

配布

以下に作成したファイルをUPしておくので、ご自由にどうぞ。

携帯電話の音源LSIがMA-7ならそのまま使えるはず(確認は前述サイトで)。それ以外の人は上記を参考にすれば自作可能。DoCoMoについてはよく知りません。おまけでWAVファイルも一緒に置いておくので、自由に使って下さい。「ダウンロード」からまとめて落とせます。各ファイルの説明は以下。

  • Goliath.mmf
    • 「MANUFACTURER」というゴリアテへの無線暗号。7秒。
  • Muska.mmf
    • 「VVV」の3文字が劇中同様に8回連続するムスカのモールス。メール着信音として使うなら少し長い気がする。17秒。
  • Muska_abbr.mmf
    • 「VVV」の3文字。メール着信音として使うなら個人的にはこれが最適。なおabbr.はabbreviation(短縮)の略。7秒。
  • Goliath.wav
  • Muska.wav
  • Muska_abbr.wav
    • それぞれのSMAFに変換する前のWAVファイル。

おわりに

使用の際の注意点としては、うっかりマナーモードにするのを忘れて雑踏の中で着信しようものなら、周囲にいる人の脳内で同時に『ラピュタ』が強制再生されてしまうということである。何はともあれ、これで存分にムスカごっこやドーラごっこができる。やらないけど。

追記(2009-12-14)

同じ頃に似たようなことを考えた人がいるようで、こんなのを見つけた。

ただPCから試聴してみた限り、残念ながら再現性は低い。そしてムスカの信号がSOSと書いてあるが、前述の通りこれは誤記だろう(音は正しいのだが)。

最終更新日:2022-03-16