LightWave で線画出力:応用編2:ワイヤーフレームを出力する

LightWave で3Dオブジェクトのワイヤーフレーム画を出力する方法についてまとめておく。

レンダーモードを変える

[レンダー]タブ>[オプション]>[レンダーオプション]の、[レンダー]タブ>[レンダーモード]ボタンから[ワイヤーフレーム]に変更しレンダリングすれば、ワイヤーフレームが描画できる。初期設定だと背景は黒、ワイヤー色はそのサーフェイスの色となる。背景色を変えるには、Layout 画面左上の[ウィンドウ]>[背景オプション](ショートカット【Ctrl+F5】)>[特殊効果]ウィンドウ>[背景]タブ>[背景色]で、カラーボックスをクリックするなどして任意の色に設定する。ワイヤー色を変えるにはサーフェイス設定を変えればよいので、[色・質感編集](ショートカット【F5】)で[Surface Editor]を開く。左にある該当サーフェイス名を選択し、[基本]タブにある[色]欄のカラーボックスをクリックするなどして設定する。

しかし、この方法だと隠線は消えない。隠線(いんせん)とは、手前の面に隠れてカメラからは見えなくなる部分の線のこと。これを消さないと裏側のワイヤーフレームまで描画されてしまう。

隠線を消去したワイヤーフレームを出力する

隠線を消去して、手前側にある線だけをワイヤーフレームとしてレンダリングする方法もある。Layout にて、まず前述した方法で背景色を選択・設定した後、[色・質感編集](ショートカット【F5】)で[Surface Editor]を開く。左にあるサーフェイス名を選択し、サーフェイス設定を先ほどの背景色と同じ色に変え、[基本]タブ>[自己発光度]を 100% にする。[シェーダ]タブに移り、[シェーダ追加]プルダウンメニューで[Super Cel Shader]を選択。シェーダ欄に表示された名称部分をダブルクリック(または右クリック>[プロパティ])して設定パネルを出し、上段に並ぶ[Zone 1]から[Zone 4]の欄すべての値を全部 0% にする(レンダリング時間短縮用だが、この手順は飛ばしても可)。

この設定をすべてのサーフェイスに適用するため、先ほどひとつ設定したサーフェイス名の上で右クリックして[Copy]、他のサーフェイス名を右クリックし[Paste]で設定を移植できる。このとき、[Shift]押しながらだと複数まとめて選択可能。

オブジェクト選択モードで[アイテムプロパティ]から[オブジェクトのアイテムプロパティ]ウィンドウを開く(ショートカット【p】)。[輪郭]タブを選択し、[点/線の太さ]を直接数値入力するか、右のプルダウンから選ぶ。そして下の[シルエットエッジ][共有しないエッジ][鋭角の折り目][サーフェイス境界][その他エッジ]をすべて有効化し、それぞれの線の太さを設定する。[エッジ色]で線の色も選べるが、初期設定は黒になっている。[距離でエッジを縮小]を有効化すると、距離に応じて線の細さも変えられる。

また、この方法で隠線も出すには、[Surface Editor]の設定時に[基本]タブ>[透明度]の欄を100%にすればよい。

アウトラインを利用する

[色・質感編集](ショートカット【F5】)で[Surface Editor]を開く。左のサーフェイス名をひとつ選択し、[高度な設定]タブにある[アウトラインのレンダー]を有効化する。ここにマイナスの値を入れることで、オブジェクトのエッジ部分のみに厚みをつけてレンダリングできる。トラス構造のレンダリングなどにも応用できるが、ポリゴン化はされないので注意。


新四面ポリマップを利用する

オブジェクトのすべてが四角形ポリゴンで構成されているなら、Modeler にて[マップ(Map)]タブ>[UV/ テクスチャ(UV/Texture)]>[ポリマップ(Poly Map)]>[新四面ポリマップ(New Quad Polygon Map)]が使える。この機能は個々の四角形ポリゴンにマップ全体を割り当てるテクスチャマップを作成できるので、縁取りした画像をUVマップへ適用すれば、陰線を消去したワイヤーフレーム風のサーフェイスが得られる。

プラグイン「unReal Xtreme2」を使う

あらかじめプラグインを入れておく。そして[Surface Editor]>[高度な設定]タブ>[アウトラインのレンダー]は無効化しておく。

Layout にて、左上メニュー[ウィンドウ]>[イメージプロセッシング]で[特殊効果]ウィンドウを開く(ショートカット【Ctrl+F8】)。[ピクセルフィルタ追加]から[unReal2::ToonTracer]を選択して追加。

追加されたその名称部分をダブルクリック(または右クリック>[プロパティ])して[unReal Xtreme2 - ToonTracer]設定パネルを出す。[境界設定2]タブ>[法線の折り目]を有効にする。評価単位をポリゴン単位にして、しきい値を山・谷とも180度にする。これでレンダリングすると、隠線消去したワイヤーフレーム描画が出力される。

プラグイン「Polygon Coloring」を使う

[オブジェクトのアイテムプロパティ]>[輪郭]タブ>[サーフェイス境界]による輪郭線でワイヤーフレームを描画できるよう、オブジェクトのサーフェイスを塗り替えて上書きする。Modeler プラグインなので、これでレンダリングできるわけではない。サーフェイスの塗り分けは四色定理を応用している。

ワイヤーフレームをポリゴンデータとして出力する

エッジを線ポリゴン(2頂点ポリゴン)にすることで、ワイヤーフレームをポリゴン化する。面を選択後、ベベルの数値入力を0にする。先ほど選択した面を削除して結合を実行。すると頂点が結合されて線ポリゴンの状態になる。LightWave では面のないラインだけの存在は許されないので、線ポリゴンという形になる。

プラグイン「Borderline」を使うと、選択ポリゴンの境界を縁取る線ポリゴンを別レイヤーに生成してくれるので楽かもしれない。標準機能の[ストランドメーカー]も使える?

三面図を出力する

Modeler のビューをワイヤーフレーム表示にして、[ファイル]>[出力]>[EPS出力]>[エンキャプサレイテッドポストスクリプト出力 (Export EncapsulatedPostScript)]でEPSファイルとして画像出力できる。[ファイル出力]ボタンから出力先を指定する。この方法はレンダリングではないため、正面図や上面図などといった形でしか出力できない。

なお、レンダリングで三面図や四面図のようなパースがかからない画(正投影図)を出力するには、平行カメラ(Orthographic Camera)を使用すればよい。

透過表示

ワイヤーフレームではないが、サーフェイスの自己発光度と透明度を調整し、透過させて隠れているオブジェクトを表示する手法について。内部図解などに使える。