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「プラネテス テクニカルファイル」リスト

SF アニメ 宇宙

アニメ『プラネテス』のコンセプトデザイン・設定考証を担当した小倉信也氏が、作中世界の設定解説をした「ΠΛΑΝΗΤΕΣ TECHNICAL FILE(プラネテス テクニカルファイル)」という月刊モデルグラフィックス誌の連載記事がある。

同誌には、情報・コラム・ニュース等のページをまとめている「MG Mega Mix(エムジーメガミックス)」欄があり、そこで2004年6月号(No.235)~2005年2月号(No.243)まで、全9回連載された。基本は見開きの2ページ構成だが、初回のみ1ページ。

  • 「Vol.1:DS12トイボックス編・1」2004年6月号(No.235)p.43
  • 「Vol.2:DS12トイボックス編・2」2004年7月号(No.236)pp.42-43
  • 「Vol.3:宇宙服編」2004年8月号(No.237)pp.42-43
  • 「Vol.4:フィッシュボーン」2004年9月号(No.238)pp.40-41
  • 「Vol.5:DS12TOYBOX2編・1」2004年10月号(No.239)pp.50-51
  • 「Vol.6:DS12TOYBOX2編・2」2004年11月号(No.240)pp.46-47
  • 「Vol.7:フォン・ブラウン号編・1」2004年12月号(No.241)pp.50-51
  • 「Vol.8:フォン・ブラウン号・2&月開発」2005年1月号(No.242)pp.54-55
  • 「最終回:軌道宇宙港・ISPV-7編」2005年2月号(No.243)pp.42-43

最近自炊したのでついでに掲載情報をまとめてみた。誌面を小さく紹介するとこんな感じ。内容は宇宙SFを考える際の参考資料としても十分使える。

なお、上記の連載とは無関係だが、同誌2004年2月号(No.231)には5ページに渡ってDS-12トイボックスの模型作例(二宮茂幸・1/200フルスクラッチビルド)が、2004年5月号(No.234)にはフィッシュボーン(1/48フルスクラッチビルド)が掲載されているらしい(両方とも未読)。

その他

アニメ版『プラネテス』の設定周りについては、今でも公式サイトが残されているので、そこで公開されている設定資料や小倉氏のインタビュー等が閲覧できる。

あとは以下のアニメ雑誌記事と、コミックスサイズのムック本『ふたごのプラネテス』にも多少掲載されている。ニュータイプの記事は小倉氏らのコメント付き。

こちらでは『EMOTION the Best プラネテス DVD-BOX』発売記念としてネットラジオ『そこ☆あに』にて特集された回のアーカイブを聴くことができる(2012年3月25日)。

以下は2012年8月のアニマックス再放送時における小倉氏の実況解説。


ふたごのプラネテス (モーニングKCピース)

ふたごのプラネテス (モーニングKCピース)

プラッツ 1/500 X-7 プラネテス プラモデル

プラッツ 1/500 X-7 プラネテス プラモデル

『本の雑誌』「世界の魔窟から」リスト

雑記 SF

写真とイラストでさまざまな「魔窟」を紹介していた不定期連載(?)企画。全6回+α。

  • 第1回 日下三蔵邸・書庫編(2008年7月号/301号 pp.108-111)
  • 第2回 日下三蔵邸・自宅編(2008年8月号/302号 pp.84-87)
    • ミステリ書評家が原稿を執筆する姿勢を問われる時!の巻
  • 第3回 細谷正充邸(2008年10月号/304号 pp.24-28)
    • 四十過ぎたら“魔窟”じゃダメでしょ。勝ち組書評家に訊く蔵書整理の秘訣!
  • 第4回 小飼弾氏の本棚(2009年3月号/309号 pp.22-25)
    • タワーマンション最上階リビングの壁一面を本棚にした男
  • 第5回 桜庭一樹氏の本棚(2009年4月号/310号 pp.16-19)
  • 第6回 山本弘の仕事部屋(2010年3月号/321号 pp.66-69)
    • 論理の隙間には付箋、本棚の隙間には怪獣とロボと美少女だ!
  • 特集=世界の魔窟からスペシャル(2010年10月号/328号 pp.4-23)
    • 杉作さんちに遊びに行こう!(杉作J太郎邸)
    • 魔窟脱出への道(魔窟の解消法=荻原魚雷/バベルの図書館への道=円城塔
    • 魔窟三態(機能性魔窟――神谷竜介/床板に忍び寄る危機――林カケ子/九十九・九九平米の楽園――松坂健)
    • 我が家の魔窟自慢!

山本弘氏の回では、『地球移動作戦』執筆のため地球を動かす物理計算を記したノートが紹介されているのが興味深かったが、誌面に掲載された写真は不鮮明なのが残念。なお、このときの科学設定の苦労については、当時の野尻ボードで多少うかがうことができる。

本の雑誌』なので書斎紹介記事はこの他にも色々とあると思うのだが、とりあえず知っているものだけ以下にまとめておく。

  • 特集=絶景書斎を巡る旅!(2014年7月号/373号 pp.1-31)
  • 特集=本を処分する100の方法!(2015年3月号/381号 pp.12-38)
    • 特集内記事「おじさん三人組、日下三蔵邸に行く!」が白眉。この号は巻頭グラビア記事「本棚が見たい!」でも日下三蔵氏の書斎(あれを書斎と呼べるのならばだが)がカラーで紹介されている。
  • 北原尚彦「魔窟のベスト10 分け入っても分け入っても本の山」(2016年10月号/400号 pp.22-23)
    • 「特集=400号スペシャル なんでもベスト10!」内の記事。この号の巻頭には鏡明氏の書斎が紹介されており、そちらも圧巻。

喜国雅彦〈本棚探偵〉シリーズを読んだ際にも思ったことだが、なんといっても日下三蔵邸のイカレ具合が凄まじい。

本棚探偵の回想 (双葉文庫)

本棚探偵の回想 (双葉文庫)

LightWave 上で距離を測る

3DCG LightWave

Modeler

巻尺ツール

標準搭載機能。[詳細]タブ>[計測]>巻尺 (Measure) ツール(ショートカット【Ctrl+E】)。


2P Info

外部プラグイン。2ポイント間について、3次元空間上における直線距離、各平面上に投影した場合の直線距離、各座標軸に対しての角度、各平面に対しての角度といった情報の表示や、対象ポイントの移動もできる。

Mezure

外部プラグイン。選択した2ポイント間の直線距離を表示したり、選択した3ポイントの成す角度を表示する。


Layout

Distance

選択した2アイテム(オブジェクト、カメラ、ライト)間の距離を測定する外部プラグイン(LScript)。スクリプトの書かれたページをそのままテキスト形式で保存し、拡張子を「.ls」にする。あとはそれをプラグインとして LightWave に登録して実行。

DistInfo

選択したアイテム間の距離を測定して表示する外部プラグイン。測定だけでなく、ビューに表示してくれるというのがとてもよさそうなのだが、32bit版でしか使えず、64bit版がないので残念。


なお、カメラ-オブジェクト間の距離測定だけなら[オブジェクトのアイテムプロパティ]>[ジオメトリ]>[カスタムオブジェクト追加]より[Range Finder]を使えばよいらしい。他にはnullオブジェクトを使えという話もあった。

LightWave で歯車を作る

3DCG LightWave

モデリング

基本だが、[歯車]ツールを使えば楽に作成できる。

以下は LightWave ではなく Cinema4D の例だが、歯の数から直径を求める方法などが参考になる。

動かす

エクスプレッション(Expression)を使う

以下の書籍でも解説されているらしい。

LightWave6.5MAGIC

LightWave6.5MAGIC

キュリオシティのレーザー分光カメラについて

宇宙

https://twitter.com/MarsCuriosity/status/264011263640752131

以前少し調べた、マーズ・サイエンス・ラボラトリー (MSL) の火星探査車キュリオシティに搭載されたレーザー分光カメラ (ChemCam) についてのメモ。

ChemCam は対象にレーザーを照射して発生したプラズマのスペクトルを観測する機器。

Photo of the Week: Laser Beats Rock

Photo of the Week: Laser Beats Rock | Flickr

以下はモニター画面。レティクル(照準線)が格好いい。

ChemCam for Mars Science Laboratory rover, undergoing pre-flight testing - YouTube

火星は地球に比べて大気圧が大変低いため、プラズマが地球上よりも大きく広がる。以下は左が地球、右が火星地表の気圧(地球の約100分の1)にした中で照射プラズマを発生させた実験画像だが、こうして比較して見ると面白い。各画像(75mm四方)の左から右へとレーザーが照射されている。

PIA16088: Laser Plasmas on Earth and Mars

PIA16088: Laser Plasmas on Earth and Mars

以下は観測部分の図解。直径10cm程度のカセグレン式望遠鏡で焦点を合わせ、プラズマの光(スペクトル)を観測する。

ChemCam on the Next NASA Mission to Mars (MSL-2011): Measured Performances of the High Power LIBS Laser Beam (2010)

こちらは火星で取得されたスペクトルデータの例。このときは10万回目のレーザー照射だったらしい。

PIA17592-MarsCuriosityRover-IthacaRock-Spectrum-20131030

File:PIA17592-MarsCuriosityRover-IthacaRock-Spectrum-20131030.jpg - Wikimedia Commons

3D近距離恒星図:光世紀の世界を立体的に見る

3DCG 宇宙 SF LightWave

宇宙SFファンにはよく知られているが、「光世紀世界」という概念がある。われわれの太陽を中心とする半径50光年の宇宙空間のことで、その直径は100光年つまり1光世紀となる。谷甲州航空宇宙軍史〉に出てくる「汎銀河世界」の基となっている概念でもある。

さて、提唱者でもある石原藤夫氏の『光世紀の世界』とそれを基にした『《光世紀世界》への招待』『《光世紀世界》の歩き方』が出版されているので、必要なデータ(星表)はすでに世に出回っている。ならばWebで3Dの近距離恒星図を公開している方がいてもおかしくないはず――ということで探してみたが、結果として満足できずに自作することとなったので、その顛末をまとめた。さらに、利用した座標データのファイルを配布する。

Webで探した星図

近距離の恒星立体マップ

まず、水城徹氏のサイト『航天機構』で「近距離の恒星立体マップ」がVRML形式で公開されているのを見つけたが、収録恒星数は40個強と少ない。なお、データ元は石原氏の著作ではない模様。

VRMLは以下のソフトで見ることができる。

《光世紀世界》交易の図

また、以下のサイトには Java Applet で閲覧できる3D図がある。Chrome では Java Applet をサポートしなくなったので、標準だと閲覧できない。

Stars within 50 light years

そしてこちらは海外サイトだが、肉眼で見える133の星が描かれた図とそのリスト。残念ながら図は2次元である。こちらの記述によると、半径50光年の領域には実際は2000の星からなる1400の星系が存在するため、ここに描かれているのは全体の一割ほどの最も明るい星々でしかなく、それ以外のほとんどは矮星とのこと。

Table of trip time for the 50 nearest stars

ニュートン力学と相対論のそれぞれによる近距離星(50個超)への所要時間をまとめているサイト(仏語)。

Nearby Star Map

半径約50光年の星図を公開しているサイト。

100,000 Stars

太陽近傍の星10万個以上をプロットして視覚化。最大で天の川銀河を俯瞰できる。太陽近傍だけ星が密集しているように見えるのは、そこしか観測データがないから。非常に素晴らしいが、科学的な精度は無保証とのこと。Chrome 以外のブラウザでは閲覧できないかも。

Near Star Map

Android 用の近距離恒星アプリもあった。

結局自分の思うようなものがなかったので、3DCGソフトも少しは扱えるようになったことだし、自作できないものかと考えた。

Webで探したデータ

まずはデータをどうするか。すぐに出てくる以下のページには非常に簡素なリストしかないので、あまり使えない。

探してみると以下のサイトで海外のSF・TRPGファンの方が、近年の情報で更新した近距離星のデータセットを色々と公開していた。やはり同じようなことを考える人はいるものである。このサイトでは『AstroSynthesis』という3D宇宙地図ソフトでの利用方法を紹介している。

光世紀星表からの自作

ここまで探したところで、やはり石原氏の「光世紀星表」を利用して自作しようと決めた。しかし最大の問題は、光世紀星表のデータをテキスト化することから始めねばならない点。『《光世紀世界》への招待』はもちろん、オリジナルの『光世紀の世界』も所有しているので星表は手元にあってすぐ参照できるのだが、それぞれ1部ずつしかないので裁断してスキャンしたくはない。かといって、もう1部買うのも絶版となっている現在では古書価が高くて困る。

昔はフロッピーディスク版『光世紀の世界』が石原氏の主催するSF資料研究会から頒布されていたようなので、これがあればおそらく楽なのだろうが、すでに入手困難である。自分で星表の数値を打ち込まねばならない。

結局裁断せずにスキャンしたが、OCRではうまく読み取れず。仕方がないのでモニタ上で横に並べたスキャン画像を見つつ、総数800強の恒星座標値を表計算ソフト(Excel)に手打ちした。年明けから隙間の時間に作業を進めていたら、半年もかかってしまった……。光世紀星表にはさまざまなデータが掲載されているが、今回必要なのは「銀河デカルト座標」のデータのみなので、それ以外はほとんど入力していない。

銀河デカルト座標は直行座標系(XYZ)なので、これさえあれば銀河座標系を直行座標系に変換などといった面倒な手順は不要だ。

ちなみに銀河デカルト座標は以下のように定義されている。算出する手順も引用しておく。

  • x軸:太陽系を原点とし銀河中心の向きを正とする〔光年〕
  • y軸:太陽系を原点とし銀河回転の向きを正とする〔光年〕
  • z軸:太陽系を原点とし銀河北方の向きを正とする〔光年〕

順序としては,赤道座標である赤経赤緯を,まず天球面上での銀河座標である銀経銀緯に直し,それと光年で測った太陽系からの距離とを合わせることによって,xyzで表現される3次元銀河デカルト座標を得るのである.

石原藤夫『《光世紀世界》への招待』pp. 57-58, 裳華房, ポピュラー・サイエンス, 1994.

なお、何をもって「北」とするのかだが、「そこにいる人にとって銀河の回転が時計の針の回転と同じ向きに見えるような位置」が「銀河の北方」であるとされている(『《光世紀世界》への招待』p. 15)。上に引用したように銀河座標系から変換しているので、これは銀河座標系における「銀河北極」と同じものだろう。

光世紀世界をイメージする助けとなるように、『《光世紀世界》への招待』より2つの図を引用しておく。まずは銀河北方より見下ろした際の位置関係を示す模式図。

石原藤夫『《光世紀世界》への招待』p. 16, 裳華房, ポピュラー・サイエンス, 1994.

そして各座標の定義である(ここでは銀河座標の銀経・銀緯は使用しないので無視してよい)。

石原藤夫『《光世紀世界》への招待』p. 17, 裳華房, ポピュラー・サイエンス, 1994.

入力が済んだらそのデータにミスがないか、プリントアウトして突き合わせチェック。案の定ぼろぼろ出てくるので、修正して再度チェックし、また修正。最後に (x,y,z) の数値部分だけを抜き出してCSV形式にする。


右手系と左手系の罠

ここで、3Dソフトで使用されている座標系と光世紀星表で使われている座標系が異なっていることに気づいた。光世紀星表の銀河デカルト座標右手系を採用している。一方、自分の使っている3Dソフト LightWave は左手座標系を採用している。位置座標なので、そのまま入力してしまうとxとyは大丈夫だが、z値の符号(+と-)が逆になってしまう。

参考として、採用している左右の座標系別にした主要3Dソフトの分類を以下に示す(y-upとz-upは分けていない)。

  • 右手座標系:Maya / 3ds Max / Blender / Shade / Houdini / Softimage / modo / Rhinoceros
  • 左手座標系:LightWave / Cinema 4D / Unity

ということで、左手座標系ソフトで星表データを利用するため、表計算ソフトでz値が入る列(3列目)全体に -1 を掛けて符号を反転させてから保存する。

もちろん右手系のソフトであればこの手順が不要なので、そのままのデータを流し込める。

3Dソフトへの入力

ここでは LightWave を利用。Modeler プラグインImport CSV XYZ」を使用して (x,y,z) の3列あるCSVファイルを読み込むと、各座標に点(ポイント)が生成される。このとき、数値の単位はメートルとして読み込まれるので注意。星表にある座標の単位は[光年]なので、この場合ソフト上では1m=1光年換算となる。

この点群の位置に大きさのある星を置くため、まず星となる球を作成する。ここでは直径10cmの球にしてみる。1m=1光年なので直径0.1光年というありえない大きさの星になるわけだが、実際の縮尺で作ると非常に小さくなってしまうのでその点は無視する。

球をFGレイヤー、点群をBGレイヤーにして、[マルチ加工]>[複製]>[ポイント複製プラス]を起動しそのまま[OK]を押す。ポイントのある位置に球が複製される。

最後にカメラを任意の場所に配置、レンダリングして終了。

ちなみにこの出力画は以下のようになっている。矢印の向きが各軸の正の向きである。z軸の矢印はソフト内の軸に合わせずその逆にしているので、右手系の光世紀星図と同じになっているはず。

これで自由自在に視点を動かして光世紀世界の中を覗くことができるようになった。やろうと思えばアニメーションも可能だ。素晴らしい。学術的に裏付けのある星の配置なので、SFなどで太陽系周辺の星図などを出したい場合は役に立つこと間違いなしである。

ただし学術的なカタログをベースにしているとはいえ、実際の距離との誤差がある点に注意。石原氏も「光世紀星図でいちばん問題なのは視線方向の距離で、これはたぶん何光年もの誤差があると思います」とインタビューで語っている。

ここからさらにそれぞれの星に名称を表示できるようになれば最高なのだが(こんな感じに)、今の自分にはここまでで精一杯。もしかしたら3Dソフトのスクリプトを作れば何とかなるのかもしれないが、そこまでの技術はないので。

データの古さについて

最初のカタログ『光世紀の世界』が出たのは1984年、基になっているデータは1970年代のものである。1994年に出た『《光世紀世界》への招待』ではその後新たに発見された星のデータが追加されているとはいえ、さすがに現時点から見るとやや古くなってしまっている。本来は更新するべきなのだが、それには最新の星表を探して追加された星や更新されたデータをチェックするというかなりの作業が必要となるため、今回はできていない。

なお、光世紀星表自体は多くの星表を基礎にして作成されているが、なかでも主として以下のカタログを参照しているらしい(日本語表記は『《光世紀世界》への招待』に準拠)。

グリーゼの近距離恒星カタログも更新されているし、近年はさらにヒッパルコス星表もあるので、利用できそうなデータは公表されている。現在進行中の「ガイア」ミッションというものもある。まあできたらそのうち反映したいものだが。……誰かやりたい人いませんかね。

追記

以下はこの記事が出た後にチェックされた方によるツイートだが、やはりLCC(光世紀星表)にはデータの古さに起因する間違いがあるらしい。更新すべきだよなぁ……(と思っていたらなんと更新版の星表を公開して頂いた。詳しくは後述)。

CNS3というのはグリーゼの近距離恒星カタログ (Catalogue of Nearby Stars) 第3版の略称。SIMBADはフランスのストラスブール天文データセンターが運営しているオンラインの太陽系外天体目録データベースのこと。


系外惑星の紐付け

また、系外惑星が発見されている恒星(系)についても、以下のような提供サイトからデータを反映させることができればよいのだが、これらも今後の課題だろう。……誰かやりたい人いませんかね。

付記

ところで、裳華房〈光世紀〉シリーズの3巻目(仮題『《光世紀世界》の観光案内』)は著者の石原氏によると「出ないだろう」とのことで、大変に残念。基となった私家版『光世紀の世界』は現在もWebで探すとたまに古書として出ているのが確認できるので、欲しい方は見つけたら機会を逃さず購入しておくとよいだろう。一部の図書館でも所蔵しているようだ

光世紀星表は発表以来、いくつかのSF作品で設定構築用の資料として活用されている。最近の作品では、TVアニメ『翠星のガルガンティア』第4話の以下のカットにおける制作資料として利用されているのが知られている。

翠星のガルガンティア』第4話「追憶の笛」より

ここを手がけた設定考証スタッフの小倉信也氏は以前石原氏の依頼で、レーザーカットのアクリルと豆電球を使い光世紀星図の立体模型「光世紀星儀」の大型版を作成した方でもある。

なお、光世紀星儀は1983年に「宇宙儀」という名称で特許出願され、1985年に公開されている(特開昭60-041082)。特許情報プラットフォームのサイトにある特許・実用新案番号照会ページの「公開・公表特許公報(A)」から「1985-041082」を検索すると閲覧でき、PDFでダウンロードもできる。

石原藤夫, 倉田正也, 花田真. 宇宙儀. 特開昭60-041082. 1985-03-04.

データ配布

石原藤夫氏ご本人より「大いに広めて下さい」と許可をいただけたので、作成した座標データファイルを以下のリンクより配布します。

内訳は以下。

  • LCC.xlsx
    • 光世紀カタログ番号、連星表示、代表的名称、銀河デカルト座標のデータが入力されたXLSXファイル。要するにこれ
  • LCC.xls
    • 上のファイルをXLSファイル(Excelの旧ファイル形式)として保存したもの。
  • LCC.csv
    • 同じく、CSVファイルとして保存したもの。Excel以外の表計算ソフトでも使える。ただし、CSVにしたために上記2つのファイルと内容は同じだが、数値の書式設定が削除されている。例えば本来のカタログ番号は「0010」などと4桁表記だが、これが「10」というように手前のゼロが消えていたりする。
  • LCC_for_Lefthanded_System.csv
    • 左手座標系用に、zの符号を反転させた銀河デカルト座標 (x,y,z) の数値のみが入力されたCSVファイル。要するにこれ。前述した左手座標系の3DCGソフトへ読み込ませるために作成したもの。
  • readme.txt
    • 説明書き。

用途を問わず、商用・非商用問わず自由に使用できます。

入力したデータはひと通りチェックしましたが、ミスを見つけた場合は教えて下さい。すみやかに訂正します。

データを訂正した場合などに不都合となるので、再配布については控えていただきたいのですが、このデータを基に新たなデータを追加・更新したものを作成して配布したいという場合は連絡を下されば対応します。

このデータを使用して起きた不具合等については一切の責任を負いません。

不明な点がありましたら直接問い合わせをお願いします。

また、数値データではなくすでに配置された3Dオブジェクト自体が欲しいという方は、個別に連絡を頂ければ検討します。

追記:補完データとそして驚異の更新版カタログデータ

この記事を出した直後、なんと赤経赤緯、年周視差、スペクトル型など、こちらが入力していない「光世紀星表」項目について、1988年ごろに入力していたものを持っているという方から連絡を頂いた。以下のページで公開していただいたので、CSVファイルが入手できる。こちらのデータと簡単に合体させられる。

……などと思っていたら、続けて同じ方が着々と光世紀星表のデータを最新のものへ更新・公開してくれた。光世紀世界の半径も50光年から100光年まで拡大されている。2016年9月には前述した位置天文学衛星「ガイア」の最初のデータがESA欧州宇宙機関)から公開されたのだが、早速それも取り込んでくれている。直交座標値も入っているため、3Dソフトへ持ち込むのも簡単だ。現時点での最新版光世紀カタログといえるだろう。素晴らしすぎる。利用する方はぜひこちらを!

ちなみにUTF-8で保存されたCSVファイルをExcelで開くとShift_JISとして開くため、文字化けする。Excel利用者はShift_JIS版を選ぶこと。

参考

光世紀パトロール (徳間文庫)

光世紀パトロール (徳間文庫)



最終更新日:2016-10-09

ミール宇宙ステーションで成長していた微生物群

宇宙 生物

少し前にこういう記事が出ていた。

ミールを「宇宙船」としている時点でいい加減なサイトの適当な翻訳記事だと分かるが、それはともかくこの内容の出典を辿ってみる。

無重量環境で宙に浮いた黒っぽい水球画像の出典はこちらの動画0:45あたりに出てくるものだが、おそらく単なるイメージ映像で、無関係な色水を使った水球実験映像を挿入しているだけではないかと思う。まあ Science Channel(ディスカバリー)の「NASA'S Unexplained Files(NASA超常ファイル)」シリーズなので。

どうやら Space.com の2007年の記事から、オカルト系サイトを経由して毎度のことながらいい加減な妄想を散りばめているようだ。Space.com では過去のSF作品と絡めたりしてそれなりの記事にしているというのに。

さらに辿ってゆくと NASA Science のこの記事へ。

そして大元の論文へと行き着く。

このアブストラクト(要旨)を和訳してみる。

Three samples of humidity condensate that had accumulated behind panels aboard the Russian space station Mir were collected and returned to earth for analysis. As these floating masses of liquid come into contact with the astronauts and the engineering systems, they have the potential to affect both crew health and systems performance. Using a combination of culturing techniques, a wide variety of organisms were isolated included Escherichia coli, Serratia marcescens, and a presumed Legionella species. In addition, microscopic analysis indicated the presence of protozoa, dust mites, and spirochetes. These findings suggest the need for more comprehensive microbial analysis of the environment through the use of new methodologies to allow a more thorough risk assessment of spacecraft.

ロシアの宇宙ステーション・ミールの搭載パネル背面に溜まっていた、湿った凝縮物の3試料を採取し、分析のため地球へ戻した。これら浮遊する液体の塊が宇宙飛行士や機関系統と接触すると、乗組員の健康とシステムの働きの両方に影響を与える可能性がある。培養技術を組合わせることで、大腸菌、セラチアそしておそらくレジオネラ種を含んだ多様な生物を単離した。また、顕微鏡分析では、原虫、ダニ、およびスピロヘータの存在を示した。これらの知見は、もっと念入りに宇宙船をリスク評価できる新手法を使った、環境内のより包括的な微生物分析の必要性を示唆している。

Microbial Characterization of Free Floating Condensate aboard the Mir Space Station

宇宙船内などの閉鎖環境で繁殖したバクテリアなどを原因とする病気やシステム故障というのは、SFのネタとしてはいいが現実にはごめんこうむりたいものだ。

その他参考

ドラゴンフライ―ミール宇宙ステーション・悪夢の真実〈上〉

ドラゴンフライ―ミール宇宙ステーション・悪夢の真実〈上〉

ドラゴンフライ―ミール宇宙ステーション・悪夢の真実〈下〉

ドラゴンフライ―ミール宇宙ステーション・悪夢の真実〈下〉