「スタジオぬえのスターシップ・ライブラリイ」掲載リスト

ある夜ふけ、スタジオぬえの1F、SFM編集部の池之上さんは風呂上り……

「宇宙船のカタログをやりたいナァ」

ぬえの一頭が口をすべらせた。

「それ。連載します。9月号から。毎月32頁」

「まった、待った、ちょっとまった」

猛り狂って石鹸の臭気をプンプンさせる池之上さんを押さえつけ、説得するのにひと苦労。

ようやく、10月号から、毎月2頁、に落ちついた。

宮武一貴「新連載 スタジオぬえのスターシップ・ライブラリイ」『SFマガジン』(早川書房)1978年10月号(No. 239)p. 62

雑誌『SFマガジン』(早川書房)1978年10月号(No. 239)から1982年2月号(No. 283)まで、全41回連載された記事「スタジオぬえのスターシップ・ライブラリイ」の掲載リスト。

この連載、当初はSF作品に出てくる宇宙船やメカのデザインなどを、実際の航空機や宇宙機などの紹介と共にスタジオぬえのメンバーが語っていく・描いていくという内容だった。それが途中で宇宙SFイラスト描画の技術論(宇宙遠近法)に脱線したかと思えば(連載⑭~⑳あたり)、その後はいわゆる宇宙戦艦の考察が延々と展開され(連載㉑~㉛)、しまいには恒星間ラムジェットについての紹介やメカニズム解説が続き(連載㉜~最終回)、最後に特別版として「ラム・スクープ・シップ太陽系侵攻プログラム」なる小説が掲載されて終わりとなる。こうして書いてみると一言でまとめるのが難しい、まさに「鵺」的な連載だったといえる。

  • 新連載 1978年10月号(No. 239)pp. 62-63.
    • 文/宮武一貴, 絵/加藤直之
  • 連載② 1978年11月号(No. 241)pp. 180-181.
    • 文・絵/加藤直之
  • 連載③ 1978年12月号(No. 242)pp. 166-167.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載④ 1979年1月号(No. 243)pp. 184-185.
    • 文/松崎健一, 絵/宮武一貴
  • 連載⑤ 1979年2月号(No. 244)pp. 52-53.
    • 文/松崎健一, 絵/宮武一貴
  • 連載⑥ 1979年3月号(No. 245)pp. 164-165.
    • 文/加藤直之&松崎健一, 絵/宮武一貴
  • 連載⑦ 1979年4月号(No. 246)pp. 148-149.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載⑧ 1979年5月号(No. 247)pp. 182-183.
    • 文/松崎健一&宮武一貴, 絵/宮武一貴
  • 連載⑨ 1979年6月号(No. 248)pp. 178-179.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載⑩ 1979年7月号(No. 249)pp. 178-179.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載⑪ 1979年8月号(No. 250)pp. 214-215.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載⑫ 1979年9月号(No. 251)pp. 172-173.
    • 文・絵/加藤直之
  • 連載⑬ 1979年10月号(No. 252)pp. 182-183.
    • 文・絵/加藤直之
  • 連載⑭ 1979年11月号(No. 254)pp. 182-183.
    • 文・絵/加藤直之
  • 連載⑮ 1979年12月号(No. 255)pp. 154-155.
    • 文・デザイン/青井邦夫, 絵/加藤直之
  • 連載⑯ 1980年1月号(No. 256)pp. 170-171.
    • 文・絵/宮武一貴, 美術資料提供/長谷川正治
  • 連載⑰ 1980年2月号(No. 257)pp. 416-417.
    • 文/長谷川正治&青井邦夫, 絵/青井邦夫
  • 連載⑱ 1980年3月号(No. 258)pp. 14-15.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載⑲ 1980年4月号(No. 259)pp. 14-15.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載⑳ 1980年5月号(No. 260)pp. 14-15.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載㉑ 1980年6月号(No. 261)pp. 14-15.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載㉒ 1980年7月号(No. 262)pp. 14-15.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載㉓ 1980年8月号(No. 263)pp. 14-15.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載㉔ 1980年9月号(No. 264)pp. 14-15.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載㉕ 1980年10月号(No. 265)pp. 14-15.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載㉖ 1980年11月号(No. 266)pp. 14-15.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載㉗ 1980年12月号(No. 268)pp. 14-15.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載㉘ 1981年1月号(No. 269)pp. 14-15.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載㉙ 1981年2月号(No. 270)pp. 14-15.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載㉚ 1981年3月号(No. 271)pp. 14-15.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載㉛ 1981年4月号(No. 272)pp. 14-15.
    • 文・絵/宮武一貴
  • 連載㉜ 1981年5月号(No. 273)pp. 14-15.
    • 文/永瀬唯, 絵/宮武一貴
  • 連載㉝ 1981年6月号(No. 274)pp. 14-15.
    • 文/永瀬唯, 絵/宮武一貴
  • 連載㉞ 1981年7月号(No. 275)pp. 14-15.
    • 文/永瀬唯, 絵/宮武一貴
  • 連載㉟ 1981年8月号(No. 276)pp. 14-15.
    • 文/永瀬唯, 絵/宮武一貴
  • 連載㊱ 1981年9月号(No. 277)pp. 14-15.
    • 文/永瀬唯, 絵/宮武一貴
  • 連載㊲ 1981年10月号(No. 278)pp. 14-15.
    • 文/永瀬唯, 絵/宮武一貴
  • 連載㊳ 1981年11月号(No. 279)pp. 14-15.
    • 文/永瀬唯, 絵/宮武一貴
  • 連載㊴ 1981年12月号(No. 280)pp. 14-15.
    • 文/永瀬唯, 絵/宮武一貴
  • 最終回 1982年1月号(No. 282)pp. 14-15.
    • 文/永瀬唯, 絵/宮武一貴
  • 特別版「ラム・スクープ・シップ太陽系侵攻プログラム」1982年2月号(No. 283)pp. 118-129.
    • 文・資料/永瀬唯, イラスト・設定・プロット原案/宮武一貴, 協力/GALパック

なお、回数表記は誌面でも丸囲み数字だが、初回は数字なしで「新連載」、第40回も数字なしで「最終回」という表記となっているため、ここではそれに従った。

本連載記事のうち、宇宙船や宇宙戦艦に関する部分だけは後に『スタジオぬえメカニックデザインブック PART.2 宇宙戦艦編』(バンダイ出版, 1990)という書籍へ収録されているので、宇宙艦についての考察だけを読みたい方は、『SFマガジン』のバックナンバーを必死に漁るよりかは比較的入手しやすい(かもしれない)この本を探すとよいだろう。恒星間ラムジェットの解説については収録されていないので注意。

ちなみに、SFマガジン2000年12月号(No. 536)の連載「宇宙作家クラブのページ」第12回において、宮武一貴氏が「22年目のスターシップ・ライブラリイ」という記事を寄せていることを付け加えておく。また、『SFマガジン』2022年10月号では「スタジオぬえ創立50周年記念特集」が組まれ、「スターシップ・ライブラリイ」の①、②、⑤、⑪、㉛が再録されている(過去の誌面から版を作成したのか、画質はやや粗い)。

余談になるが、連載当時は石原藤夫氏の『銀河旅行』『銀河旅行 Part II』(共に講談社ブルーバックス)が刊行され、SFマガジンでも同氏の「銀河旅行と特殊相対論」や「石原博士のSF研究室(ラボラトリー)」という連載がなされていた。この頃のSFマガジン誌上は、現在と比べると宇宙ハードSFネタの記事が多かったといえる。