商用利用可能かつ本文中で使いやすい無難な欧文フォント

同人誌や電子書籍に使えるフォントのうち、日本語(和文)フォントの情報はWeb上に溢れておりライセンスの確認も容易である。そしてタイトルなどに使えそうなおしゃれな英文フォントの情報も多い。しかし、本文で使いやすい無難な欧文フォントについては、素人向けの適度にまとまった日本語情報があまりない。

そこで、使いやすいフォントとそれに関連するライセンスをいくつか個人的に並べてみた。ただしフォントに対してそこまで強いこだわりはないので、網羅的に調べてはいない。迷ったらこのへんを使っておけば問題ないだろう――という個人的なメモ程度のものでしかない。

まず商用利用可能なのは当然として、フォントの埋め込みが「表示と印刷」以上(できれば「編集可能」以上)のものであれば、電子書籍EPUB)やPDFでの埋め込みにも使えるので、それを基準とする。これはフォントをインストールしたフォルダで調べることができる。なお、Adobeのソフトウェアを使っていることを前提とするので、それにバンドルされているフォントが多くなっている。

同人誌を作った際、本文では「小塚明朝 Pro」と「小塚ゴシック Pro」というAdobe製品付属の無難なフォントを使ったのだが、その文章中で欧文と数字、そして数式を表記した箇所のフォントに(見栄えとライセンスの面で)何を使えばよいかがすぐに分からず、色々と調べた結果がこれである。自分は最終的に以下のフォントから選び、InDesignでの組版時に合成フォント機能を使用して和欧混植した。

無難な欧文フォント(セリフ)

Adobe Caslon Pro
Adobe Hebrew
Adobe Garamond Pro
Minion Pro
Linux Libertine Fonts

数式に使えるフォント

STIX fonts

有用な配布サイト

  • Google Fonts
    • Google Fontsにあるフォントのライセンスはほとんど「SIL Open Font License 1.1」か「Apache Licenes 2.0」なので埋め込みに使える。無論、各フォントのライセンスは都度確認のこと。
  • Font Squirrel
    • 商用利用可のフォントを紹介しているサイト。右の「FONT FILTER」欄で「LICENSES」の「OFL/Apache」を選択することで、後述する「Open Font License」か「Apache Licenes」のフォントのみから選べる。
  • ドットコロン
    • CC0で商用利用可能な国産欧文フォントを配布してくれている。ロゴにも使える。

有用な書籍

製品版フォント500書体収録の定番欧文フォント集『TrueTypeフォントパーフェクトコレクション』には、(付属CD-ROMに)標準的なフォントが数多く収録されている。入手できるようならぜひおすすめする。

メモ

ライセンスについて

SIL Open Font License 1.1

商用の印刷物やロゴ、映像作品、グッズなど、あらゆる創作物で使用することができる。その創作物の販売制限もなく、フォント名やWebサイトURLなどのクレジット表記も不要。

Apache Licenes 2.0

商用利用も埋め込みも可能。使用した創作物にフォント名やWebサイトURLなどのクレジット表記も不要。

GPLフォント例外

GPLのフォントを使った文書は自動的にGPLの適用対象となるため、本来は出版に使いづらい。GPLが適用されるということは、誰でも共有や改変、再配布ができることになる。ただし、フォントに対して適用できる例外条項があり、当該フォントのライセンスに例外を示す文章を併記することで、そのフォントを使った文書はGPLの適用外となる。これをGPLフォント例外と呼ぶらしい。だからライセンスの文書内に例外条項が記載されていれば、そのフォントを使ったり埋め込んだりした文書はGPLの適用範囲外となり、商用の印刷物や、PDF・電子書籍等における埋め込みも可能となる。

例外条項は以下の文言としてライセンス文書に追加されているので、ライセンスのテキストを開いて、これが記載されているかを確認すること。

As a special exception, if you create a document which uses this font, and embed this font or unaltered portions of this font into the document, this font does not by itself cause the resulting document to be covered by the GNU General Public License. This exception does not however invalidate any other reasons why the document might be covered by the GNU General Public License. If you modify this font, you may extend this exception to your version of the font, but you are not obligated to do so. If you do not wish to do so, delete this exception statement from your version.

特別な例外として、このフォントを使って文書を作成し、このフォントまたはこのフォントの変更されてない部分を文書に埋め込んだとき、このフォント自体は、結果の文書をGNU General Public Licenseの対象にはしません。ただしこの例外は、GNU General Public Licenseが文書に及ぶ、その他の理由を無効にするものではありません。このフォントを改変したとき、あなたはこの例外をあなたのバージョンのフォントにも拡張できますが、その義務はありません。そうしたくない場合は、この例外条項をあなたのバージョンから削ってください。