『機神兵団 APOCALYPSE NOW』リスト

山田正紀『機神兵団』を原作とした漫画版の岡昌平『機神兵団』は、全3巻の単行本が「第1部 完」として終わっている。雑誌連載時に原作とは異なる展開の「第2部」が企画されていたが、実現せず連載が終了してしまったらしい。最終回が載った号の目次コメントには「機神兵団第1部も今回で終わり、第2部があったらまたお会いしましょう。」とある。ちなみに連載されていたのは、開始前の予告編を含めると『少年キャプテン』1993年4月号~1995年3月号。

そして岡氏は連載終了後、『機神兵団 APOCALYPSE NOW』と題し、この「第2部」の第3話から第5話までを同人作品として発表し完結させた。なお、第2部の第1話と第2話については描かれておらず、おそらく岡氏の構想のみで完成作品としては存在しない模様。

――1945年7月16日、アメリカ合衆国ニューメキシコ州アラモゴード砂漠。トライポッドの群れが防衛する異種知性体の拠点要塞に対し、弾頭に試作原子爆弾〈トリニティ〉を据えた対要塞零距離爆破塔を構える「雷神」が、人類の戦闘部隊連合と共に突入攻撃をかける展開で幕を開ける。

この同人誌版は何冊にもわたって出ているが、振られたナンバリングも独特であり、そのため全体が把握しづらくなってしまっているので、ここにまとめておく。発行日などいくつか判明しない点もあるので、詳細を知っている方がいたら教えていただきたい。

以下、すべての発行元サークルは「黒汐物産」。基本の判型はB5判だが、総集編である『1&2』『1&2[軽装版]』と『2.0χ(改)』の判型はA5判となっている(なお、商業作品として出た第1部の単行本はA5判)。

  • 『機神兵団 APOCALYPSE NOW』 発行日不明(1997年?), B5判, 本文142p. 駿河屋/まんだらけ
    • サブタイトル:第2部 第3話「ペトロヴィッチ条約機構」※この巻を本記事では「無印」と呼称する。
  • 『機神兵団 APOCALYPSE NOW II』 発行日不明(1997年?), B5判, 本文96p. 駿河屋
    • サブタイトル:第2部 第4話「DAMNATION ALLEY -世界が燃え尽きる日-」※次号予告に冬コミ発行予定とあるので、これが出たのは夏コミ?
  • 『機神兵団 APOCALYPSE NOW 2.5』 2000-12-30(C59)発行, B5判, 本文64p. 駿河屋/まんだらけ/とらのあな
    • サブタイトル:最終話「われらが約束の地」(前編)
  • 『機神兵団 APOCALYPSE NOW 2.7』 発行日不明(2001-08-? C60?), B5判, 本文64p. 駿河屋/まんだらけ
  • 『機神兵団 APOCALYPSE NOW 2.9』 2001-12-30(C61)発行, B5判, 本文64p. 駿河屋/まんだらけ/とらのあな
  • 『機神兵団 APOCALYPSE NOW 2.99』 2002-08-10(C62)発行, B5判, 本文56p. 駿河屋/まんだらけ/とらのあな
  • 『機神兵団 APOCALYPSE NOW 1&2』 2003-11-16(COMITIA66)発行, A5判, 本文232p. 駿河屋/とらのあな
    • ※無印とIIの合本。
  • 『機神兵団 APOCALYPSE NOW 1&2[軽装版]』 発行日不明(2003-?-?), A5判, 本文96p? 【魚拓】ヤフオク
    • ※未所有・未確認のため発行日・ページ数・初出イベント不明。表紙にある記載から、『3&FINAL』と同時かそれ以降に出たと思われる。
  • 『機神兵団 APOCALYPSE NOW 2.0χ(改)』 2004-12-30(C67)発行, A5判, 本文248p. 駿河屋/まんだらけ/とらのあな
    • ※2.5、2.7、2.9、2.99の合本。時系列では最後に出た本。
  • 『機神兵団 APOCALYPSE NOW 3&FINAL』 2003-08-16(C64)発行, B5判, 本文120p. 駿河屋/まんだらけ/とらのあな
    • ※最終巻。サブタイトルの記載がないが、付けるとしたらおそらく『最終話「われらが約束の地」(後編)』になると思われる。記載忘れ?

無印が第2部の第3話、『II』は同じく第4話、『2.5』『2.7』『2.9』『2.99』『3&FINAL』で同第5話を構成する。『1&2』『2.0χ(改)』『3&FINAL』の3冊を揃えられれば最良か。なお、合本の内容は加筆修正されているらしい(未確認)。

ところで『機神兵団 APOCALYPSE NOW』の内容は大変素晴らしいのだが、端的にこの魅力を伝えるにはどうすればよいかと考えた結果、戯れにこんな画像を作ってみた。

蛇足

  • 当時、新刊を落とした時には『APOなし』という楽屋落ちタイトルのギャグ同人誌が出ていたらしい。
  • 岡昌平氏は「黒汐物産」以外に「HILL 4 FLATS」というサークル名でも同人イベントに参加していた模様。
  • レモンピープル』1998年4月号(第17巻第7号)の「必見! 同人探偵団」内にて、『機神兵団 APOCALYPSE NOW』が取り上げられているらしい(文=沖由佳雄)。